AppSuiteのデータ蓄積による各操作のレスポンスおよびディスク使用量の目安
カテゴリ:パッケージ版の運用・管理:機能および仕様(AppSuite)
該当製品:パッケージ版
質問ID:NEO-T0345
対象:V4.0以降
弊社環境下にて測定した結果を以下に記載いたします。
サイジングに関する性能測定および容量測定
本資料は、AppSuiteを導入いただくうえでご利用いただくサーバースペックを算出するための参考値です。
測定に使用したサンプルアプリは、一般的な業務から選定しており、測定は単独動作での性能値です。
性能値は、使用するアプリケーションや負荷状況によって大きく変わることが想定されます。
ご検討時の参考としてご利用いただければ幸いです。
測定環境
測定に使用したサーバースペックと、想定環境に用意したユーザー、組織などの基本情報量は以下の通りです。
サーバースペック
CPU:Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2630L 0 @ 2.00GHz 6core
メモリ:8GB
HDD:4TB (600GB(10krpm)×7 RAID5) + 1HS
OS:CentOS 6.9 (64ビット)
DB:PostgreSQL 9.6
Web:Apache 2.2.15
desknet’s NEO:V4.0 R1.0
※Web+DBは、1台構成です。
※PostgreSQLは、設定値変更などのチューニングは行っていません。
基本情報データ量
ユーザー数:300
組織数:25
測定内容
300ユーザーが登録されている環境にて、業者から送付される毎月の請求書を処理する業務を想定し、サンプルアプリケーションとして「請求書管理」を作成し使用しました。上記の測定環境において、1年から5年の経過で増加する想定データ量による使用ディスク量と、データ量増加による画面表示の影響を測定しました。測定した操作は以下の通りです。
アプリケーションのレコード一覧初期表示
先頭データの詳細画面表示
アプリケーション内の最終ページ表示
集計表示
請求書は、300人のうち約30%のユーザー(約100人)が1日1件登録した場合を想定して、5年間のデータを登録します。
(毎月の請求書の枚数が、約3,000枚の想定です。)
このため、今回の想定で用意したデータの件数は以下の通りです。
1年目:96人×30日/月×12か月≒35,028件
2年目:70,080件
3年目:105,120件
4年目:140,160件
5年目:178,176件
年数ごとのデータ容量の増分は以下の通りです。
1年目:83.8MB(83,795,968バイト)
2年目:168.3MB(168,337,408バイト)
3年目:253.1MB(253,108,224バイト)
4年目:337.9MB(337,936,384バイト)
5年目:430.0MB(430,022,656バイト)
※サンプルアプリケーション[請求書管理]について
日々発生する請求書を、発生日と仕入先情報、請求明細が5行からなる伝票データを登録および管理するアプリケーションです。
[請求書管理(一覧)]
![](https://www.desknets.com/neo/wp/wp-content/uploads/2017/09/%E8%AB%8B%E6%B1%82%E6%9B%B8%E5%85%A5%E5%8A%9B%EF%BC%88%E4%B8%80%E8%A6%A7%EF%BC%89.png)
[請求書管理(詳細)]
![](https://www.desknets.com/neo/wp/wp-content/uploads/2017/09/%E8%AB%8B%E6%B1%82%E6%9B%B8%E5%85%A5%E5%8A%9B%EF%BC%88%E8%A9%B3%E7%B4%B0%EF%BC%89.png)
測定結果
各操作での測定結果は以下の通りです。
測定は、10回の測定の平均値を使用しています。
1. アプリケーションの請求書一覧画面表示
AppSuiteの先頭ページから、対象のアプリケーションをクリックして、一覧画面が表示されるまでの速度を測定しました。
測定結果は以下の通りです。
平均で2.26秒となり、年数によりデータ件数が増えても初期表示の速度は劣化しません。
![](https://www.desknets.com/neo/wp/wp-content/uploads/2017/09/%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E7%B5%90%E6%9E%9C_%E8%AB%8B%E6%B1%82%E6%9B%B8%E4%B8%80%E8%A6%A73.png)
2. 先頭データの詳細画面表示
表示された一覧画面から、先頭のレコードの詳細画面を表示するまでの速度を測定しました。
測定結果は以下の通りです。
平均で1.07秒となり、年数によりデータ件数が増えても詳細表示の速度は劣化しません。
![](https://www.desknets.com/neo/wp/wp-content/uploads/2017/09/%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E7%B5%90%E6%9E%9C_%E8%AB%8B%E6%B1%82%E6%9B%B8%E8%A9%B3%E7%B4%B01.png)
3. アプリケーション内の一覧最終ページ表示
表示された一覧画面で、スクロールバーを最下部のレコードを表示されるまでドラッグし、表示されるまでの速度を測定しました。
測定結果は以下の通りです。
年数が経過するごとにレコード件数が増えるため、ページ移動後の表示に時間がかかるようになります。
![](https://www.desknets.com/neo/wp/wp-content/uploads/2017/09/%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E7%B5%90%E6%9E%9C_%E8%AB%8B%E6%B1%82%E6%9B%B8%E6%9C%80%E7%B5%82%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B81.png)
4. 集計表示
登録されているデータを月単位に集計する処理の速度を測定しました。
測定結果は以下の通りです。
平均で4.49秒となり、年数によりデータ件数が増えても集計の速度は劣化しません。
![](https://www.desknets.com/neo/wp/wp-content/uploads/2017/09/%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E7%B5%90%E6%9E%9C_%E8%AB%8B%E6%B1%82%E6%9B%B8%E9%9B%86%E8%A8%881.png)
考察
測定の結果、5年間のデータ量増加に伴う処理速度の性能劣化は見られませんでした。
(”最終ページ表示”については、単純に最終行が表示されるまでに移動するレコード数が増えるため速度低下していますが、極端な性能劣化は発生しておりません。)
詳細表示ビューでは、他のアプリケーションとの関係付けもありますが、表示性能に影響はないことが測定できました。
(ただし、今回の測定では、関係付けているアプリケーションは1つのみです。)
よって、今回想定したサンプルアプリケーションのデータ量と経過年数、測定で使用したサーバースペックであれば、データの一覧および詳細表示、また集計操作において、データ増加に伴うボトルネックは発生しません。
データサイズにおいては、今回用意したサンプルアプリケーション程度では1年間の登録で約80MB増加するため、添付ファイルなどを併用した運用を行うのであれば、その分のハードディスクを用意する必要があります。